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特集 リウマチのリハビリテーション―PT研修会から
慢性関節リウマチの下肢手術施行後の理学療法
Physical therapy for chronic rheumatoid arthritis after operation.
槇原 孝
1
Takashi MAKIHARA
1
1岡山大学中央物療部
pp.575-579
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100678
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はじめに
慢性関節リウマチ(RA)は,全身性疾患で,原因もはっきりしていませんし,治療法もこれといって決定的な方法がなく,われわれPTにとっても非常に治療しにくい疾患の一つといえましょう.しかし,下肢だけの機能について考えると,案外方法がないでもありません.下肢の機能は,体重を支え,移動することにしぼることができるからです.患者の訴えでも「何んとか歩行を….とにかく立って歩きたい…」ということをよく聞きます.やはり私達人間にとって歩くということは,非常に大切なことであります.
RAの患者が歩けなくなる理由はいろいろありますが,最も決定的な影響を与えるのは,何んといっても,ROMと,疼痛といえるでしょう.そして多くは,股関節の屈曲,膝関節の屈曲,足の内反または,外反,指の変形及びそれらの疼痛が歩行に支障を来たしているといえるでしょう.
最近では,医学の進歩と共に,これら下肢のROMの改善,疼痛の緩解を計り,移動を立って出来るようにする手術が施行されることが非常に多くなりました,おそらく,今後は徐々に増加して行くでしょう.
そこでRAに対しての理学療法は,一般的なことのみでなく,術前,術後の理学療法が非常に大切になってきます.
こうしたことから,岡大中央物療部で行なっている“術前,術後の理学療法”を中心に書いてみます.
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