症例報告
在宅呼吸理学療法と液体酸素システムによりADLの改善を認めた一例
白石 多佳子
1
,
大和田 潔
2,3,4
,
藤枝 裕子
1
,
西村 美枝
1
,
山ノ内 聖一
1
Shiraishi Takako
1
1福岡クリニック在宅部
2東京都職員共済組合青山病院リハビリテーション室
3東京都職員共済組合青山病院内科
4東京医科歯科大学大学院脳機能病態学
pp.979-982
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106184
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高齢化や社会的制度の変化に伴い在宅医療の必要性が高まり,その患者数は増加してきている.慢性呼吸不全は在宅医療が導入されることが多く,在宅酸素療法の使用例も多い.しかしながら,在宅酸素療法そのものの物理的制限が呼吸困難感とともに患者のactivities of daily living(ADL)を制限し,外出などの妨げとなっていることも多い,今回われわれは,呼吸不全の不安が強く,また,適切な指導を受ける機会もなく,呼吸機能およびADLが非常に低下していた患者に対し,呼吸理学療法,肺機能の評価,さらに機動性を増す液体酸素システムを導入することにより,著しい改善を認めた一例を経験したので報告する.本症例は,呼吸理学療法の施行が在宅医療下の患者のADL改善を図るに当たって重要な意味を持つことを示唆していると考えられた.
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