Japanese
English
短報
介護環境の変化によりADLの改善が認められた中年ダウン症候群の2例
Improvement of ADL by Environmental Stimulation Seen in Two Cases with Down Syndrome in Middle Age
小野 善郎
1
,
東 雄司
1
Yoshiro ONO
1
,
Yuji HIGASHI
1
1和歌山県立医科大学神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Wakayama Medical College
キーワード:
Down syndrome
,
Premature aging
,
ADL
Keyword:
Down syndrome
,
Premature aging
,
ADL
pp.205-207
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903404
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中年期以降のダウン症候群者ではアルツハイマー病の神経病理学的所見を高率に認め,特異的な老化,すなわち早期老化現象が知られている3,4)。しかし,臨床的な痴呆の合併率については報告者によって異なり,病理学的所見との間には解離がある7,8)。一方,多くの中・高年ダウン症候群者は高齢の親によって家庭で介護されており,社会的接触をほとんど持たずに生活している。そのため,精神機能や活動性の低下は,早期老化によるものとしてだけでなく,このような独特な介護環境に起因することも考慮する必要がある。我々は老父母によって長らく家庭で介護されてきた中年ダウン症候群者が,施設入所により介護環境が著しく変化したことを契機に,ADLの改善を認めた症例を経験したので報告する。
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