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赤坂 清和
1
1埼玉医科大学総合医療センターリハビリテーション部
pp.549
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106087
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理学療法士になるための養成校で学ぶ内容は,理学療法士として働くために必要な知識や技術をカリキュラムで網羅するよう調整されているはずであるが,それだけを身に付けたとしても理学療法士としての十分条件には遠く及ばない.そのことは臨床場面で働き始めると大部分の理学療法士が容易に認識することである.つまり学校で学んだ理論的で体系的な考えを臨床場面で患者さんに応用しようとすると,自分ができ得る理学療法の実践的な方法が不足していて,一人一人の患者さんの機能的あるいは能力的問題に直接的に対応することができない自分に気付く.若い理学療法士は,忙しく働く先輩理学療法士にその状況を部分的にしか伝えることができずに,日々の仕事に追われるようになる.そしていつしか,自分が経験を積み重ねることで学習した,個々の患者さんに十分対応できていない理学療法の実践を漫然と行うようになる.それに加えて,現在の理学療法士の年齢別ピラミッドにおいて20~30歳台が非常に多いことと養成校が年々増加している状況では,臨床経験が少ない理学療法士が学生の指導を行い,新規に入職した理学療法士の教育に携わるようになる.
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