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編集後記
鶴見 隆正
pp.602
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105867
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学校教育史上未曾有の大阪池田市の小学校児童殺傷事件には言葉に言い表せないほどの憤りと虚しさを覚え,子どもたちの命のかけがえのなさをかみしめた親は多いはずです.子どもたちの安全と幸福を保障できない社会には子どもたちの未来はありません.また,わが子を虐待する親たちが後を絶たない現状を直視し,子どもたちを取り巻く生活環境にもっと関心を払っていくような社会でなければ,高齢者の健やかな保健,医療,福祉体制が整わないのではないかと思います.
さて本特集は「病棟理学療法」です.これまでの病棟理学療法に対する関心度合は,運動療法室における理学療法と比べて低かったように感じます.その理由としては理学療法士が少なかった発展期の頃から片麻痺や整形外科疾患などimpairment中心の理学療法技術やその理論体系の構築にエネルギーを注いできたこと,また理学療法業務の円滑化を図るために病棟理学療法の領域を術直後やICUなどの急性期,寝たきり状態の慢性期とするなど病期区分で業務分担してきたことも関与していると考えられます.
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