書評
―奈良勲(著)―PTマニュアル 脳血管障害の理学療法 片麻痺患者の運動療法を中心に―奈良哲学を伝える好著
内山 靖
1
1群馬大学医学部保健学科理学療法学専攻
pp.496
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105839
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本書は,理学療法士にとってしばしば遭遇する対象の1つである脳血管障害の理学療法について書かれたものである.112頁とコンパクトにまとめられており,文章表現は極めて平易である.発売直後にぱらぱらと眺めているうちに一気に読み終えてしまった.その時の率直な感想は,何か“すがすがしい気持ち”を憶えたことである.今回,書評を依頼され,改めて読み返してみてもその時の気持ちに変わりはないが,もう少し詳しい事実を伝えてみたい.
理学療法士の養成が開始された1960年代には欧米の書籍や補助教材が中心であり,やがて医師の書いたリハビリテーションに関する書籍や理学療法向けの資料を借用する時代が続いた.最近になって,理学療法士自身が執筆した書籍が積極的に発行されるようになり自前の教育システムが稼働し始めたが,そのようななかでも本書は画期的な好著である.
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