特集 脊髄損傷―新しい下肢装具の活用
荷重制御式歩行補助装具を用いた脊髄損傷者の歩行練習
矢野 英雄
1
,
岩崎 洋
1
,
大石 暁一
1
,
高嶋 孝倫
1
,
有薗 裕樹
1
,
三田 友記
1
,
中澤 公孝
1
,
関 寛之
1
Yano Hideo
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター
pp.482-487
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105837
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はじめに
荷重制御式歩行補助装具(似下WBC装具という)は,歩行機能を失った脊髄損傷者に再び歩行を回復させるため開発した1,2).
Hinsey3)らによれば,ヒトの歩行は,体重を支持し,交互に下肢を振りだし前方へ体重を移動させる動作をバランスよく行うことによって達成されるとしている.健常者は脊髄の筋神経活動によって交互性歩行を達成するが,脊髄損傷者ではこの神経筋活動が欠如しているため装具によるコンパス歩行で行うこととなる.
WBC装具は,離着床を行う脚長可変装置を使って離着床期の体重の左右移動を小さくして前方への体重移動能率を向上させた動力装具である.
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