新人理学療法士へのメッセージ
本当に大切なものは目に見えない
佐藤 みゆき
1
1老年病研究所附属病院リハビリテーション科
pp.270-271
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105782
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歓迎新人ご―行様
新人の皆さま理学療法士の世界へようこそ!あなたも遂に,この泥沼のようなブラックホールのような奥のふか~い世界の扉を開けてしまったのですね.ご愁傷様.私も十数年前,この世界に足を踏み入れてしまった者です.実習時代の私は,「失敗したぁ.動作分析?観察力とは私の最も苦手とする力.しかもそれをレポートするんだって?」障害者の役に立ちたいという理由でPTを目指した私には衝撃的な出来事.間違っちゃった,絶対自分には向かない.でもな,ここまで来ちゃったしな.親に学費も出して貰っちゃったしな.勇気のない私はとりあえずPTになることに.「結婚したらやめちゃおー.」
社会人になってやっぱりできない動作分析.それでも,とりあえずやるにしても,いい加減なことはやりたくなかった私は親切な先輩PTに恵まれて丁寧に教えていただいた.「やってれば見えるようになる」と励まされながら3年(お世話になりました).本当に動作が見えるようになった.(と思った)その頃の私は,「なーんだ単純だな,こんなの素人だってちゃんと教えてもらえばできるよ.PTとかいって専門集団ぶって偉そうにしてるけど,大して中身のないようなことを,さも学問であるかの如く,つまらないことを研究と称してやってるばかな集団だな」と思っていた.(尊敬する先輩諸氏殿,本当にごめんなさい.)
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