視座
本当に大切なもの
千葉 一裕
1
1北里研究所病院整形外科
pp.203-204
発行日 2012年3月25日
Published Date 2012/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102274
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東日本大震災が発生した2011年3月11日は,日本人にとって永遠に忘れることのできない日となりました.2万人近い方がお亡くなりになり,原子力発電所事故の影響もあり,いまだに多くの人々が避難所あるいは自宅から遠く離れた場所での不便な生活を余儀なくされています.お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに,被災された皆様には1日も早い復興をお祈り申し上げます.
急速な科学技術の進歩と無尽蔵なエネルギー消費によって利便性を追求してきたわれわれの豊かな(と思えた?)生活は,未来永劫続くかと思われましたが,自然の猛威の前ではすべてが一瞬で消え去るという事実を思い知らされました.一方で,物質は完全になくなっても人の心の中にある「思い」だけは消えないこともわかりました.多くの方々にとってこの大災害は日々の生活において自分にとって「本当に大切なもの」は何かを考えるきっかけになったと思います.人と人との絆,家族や地域の人々との繋がりを見直した方も多かったと思います.そういう私自身も家族,友人そして職場の多くの仲間の大切さを思い知らされた1年でした.
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