連載 私のターニングポイント・第32回
「本当にやりたいこと」を大切に
島田 雅史
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1広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門
pp.1087
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202796
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私は今年で臨床14年目を迎えました.ちょうど前半の約7年は地域の総合病院で勤務し,その後現職である大学病院に移り忙しくも充実した日々を過ごしています.そんな14年間を振り返ったとき,転職する決断に至ったある期間の出来事が私のターニングポイントだと思っています.
在学中および理学療法士として働き始めた頃の私の目標は,「大学教員」として教育・研究に携わることでした.臨床経験を積みながら修士課程を修了し,臨床6年目の年に母校の教員採用に応募しました.しかしながら結果は書類選考時点でふるいにかけられ落選.その後はひとまず博士課程に進学することを検討し,ある大学院の研究室を学生時代の恩師2名とともに見学させていただく機会を得ました.その際に研究室の先生から「教員になりたいならうちの大学に来てみるか?」とのお誘いを受けました.誘っていただいた真意はわかりかねますが,当時私は結婚を考えていたことや,これまで働いていた場所と大学のある地域がとても離れていたことを理由に即答することができず,大きなチャンスを逃してしまいました.恩師の一人からは「この場で即答できないならそれは本当にやりたいことではないんじゃないか」との厳しいご指摘も受けました.そのときは素直に受け入れられなかったと同時に,教員になってその先何がしたいのか明確な答えが出せず,半年ほどはこれまでのキャリアや目標に自信をなくし,日々悩んでいたことを覚えています.
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