特集 臨床実習の課題と工夫
教員主導型臨床実習の方法と効果
洲﨑 俊男
1
Susaki Toshio
1
1金沢大学医学部保健学科理学療法学専攻
pp.485-490
発行日 1998年7月15日
Published Date 1998/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105699
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1.はじめに
厚生省が1991年7月に高齢者保健福祉推進10か年戦略1)(いわゆるゴールドプラン)を提示したことから,理学療法士の適正配置数を上方修正した.同年の理学療法士の養成校(以後,養成校)は42校(学生数983人)であった.特にその後養成校が増加し,1997年5月には3年制から4年制へ移行中の養成校や名称変更および夜間部を有するものなど,実質97校(学生数3,288人)とこの6年間に急増している.なかでも,従来1校当たり20~30人であった学生募集定員が新設校では30~40人となり,多い大学では80人と増員の傾向がみられた.そのため,教官数の不足や実習施設数の不足が深刻化し,特に評価を含む臨床実習において,この6年間で3倍にも増えた学生に対する教育効果が危惧されている.このような養成校を取り巻く環境変化のなかで,筆者が所属する金沢大学における微々たる経験も踏まえて,理学療法士教育の変遷,臨床実習の変遷,教員主導型臨床実習方法および問題点とその解決策の提言などを行いたい.
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