入門講座 退院指導・4
老人保健施設入所者の退院指導の実際
羽田 冨美江
1
,
佐々木 春美
1
,
山本 勉
1
,
大村 裕加
1
Hada Fumie
1
1老人保健施設サンスクエア沼南
pp.899-904
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105688
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Ⅰ.はじめに
中間施設である老人保健施設の入所者へのリハビリテーションは,家庭復帰を目標とした生活障害に対する多職種によるチームアプローチが基本となる.そのアプローチは,実際の生活場面で24時間体制の下で行われるため自立支援には効果的である.しかし,その対象者の大半が,慢性期で体力低下を伴った重度障害や重複障害,そして症状の重い痴呆を有した老人であるため重介護を必要としている.社会面からみても,高齢夫婦世帯や独居,介護者の就労,ストレスの増大,介護不安など,家庭復帰を困難にする要因も多い.
本稿では,当施設利用者の状況と実態調査から,様々な問題を抱えた高齢障害者を支援していく老人保健施設の退所指導に何が必要かを探るとともに,退所に向けて行うチームアプローチのなかでのリハスタッフの役割について,当施設の実際とその背景にある考え方を述べることにする.
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