特集 施設老人ケア
てい談
老人入院・入所施設の実態と問題点—特例病院・老人保健施設・特別養護老人ホームの比較から
𠮷岡 充
1
,
橋本 正明
2
,
岩﨑 榮
3
Mitsuru YOSHIOKA
1
,
Masaaki HASHIMOTO
2
,
Sakai IWASAKI
3
1上川病院
2社会福祉法人至誠学舎至誠特別養護老人ホーム
3厚生省病院管理研究所医療管理部
pp.298-304
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209531
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岩崎 老人ケアを考えた場合,福祉面に関しては昭和38年制定の老人福祉法がその嚆矢といえます.それから25年が経過し,その間に我が国の老齢人口は世界に類を見ないスピードで増加してきました.21世紀には多分,老人人口は全人口の4分の1(2021年には総人口の23.71%)を占めるだろうという予測がなされています.しかも,その中には健康な老人ばかりではなく,病弱な人も含まれるわけです.
そのような社会および医療環境の変化を踏まえて,昭和60年1月,社会保障制度審議会は中間施設の制度化等を盛り込んだ「老人福祉の在り方」について建議を行い,厚生省はそれを受けて4月に「中間施設に関する懇談会」を設置,8月に中間報告をまとめ,昭和61年12月の老人保健法の改正に伴って老人保健施設が制度化されました.そして,翌62年2月には7施設がモデルとして選ばれ,4月にモデル事業に入ったわけです.
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