とびら
いま必要なこと
諸橋 勇
1
1いわてリハビリテーション病院
pp.777
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105421
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私の勤務している病院では,年間10名前後の実習生を受け入れている.ここ数年気づくのは,レポートはワープロで綺麗に作成し,専門用語も程々に使い体裁のいい,しかし患者さんのプロフィールの一部を変えたら区別のつかないようなレポートが多いということである.つまり,障害を理解することばかりに偏り,人や生活者としての理解が希薄なのである.私は実習生を担当すると,片麻痺の理解→脳損傷者の理解→人の理解という3つの段階があることを説明する.その学生がまだ「片麻痺という症状の理解」しかしていないことに気づいてもらい,自分のやるべきことを考えてもらうためである.教育現場に人間を理解するためのカリキュラムがないのが現状で,いわゆる知識の詰め込み教育がなされているのである.
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