リレーエッセー 先輩PTからのメッセージ
職場と人生
馬場 久夫
1
1県立広島病院リハビリテーション科
pp.276
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105287
- 有料閲覧
- 文献概要
人との関わり合いは,人間である以上,避けて通れない問題である.関わり合いの場は千差万別で,通りすがりであったり,乗り物や遊び場であったりする.先日筆者が遭遇した満員電車での出来事である.20歳代の若い女子学生が入り口で突っ立ったまま動こうとしない.その奥では同じ年頃の男性が握り棒を握ったまま自分の居場所に固執して,しきりに周囲の人を押しのけている.
この頃どうも,このような身勝手な若者が増えているが,みんな“触らぬ神に崇りなし”とばかりに黙り込んでいる.ところがその折りは,50歳位の女性が入り口をふさいでいるその女学生の耳元で「出口を少し開けて下さい」と問い掛けたが,女学生は全く道を開けようとしなかった.こんな若者達が職場に進出してきたら,同僚たちとどんな関わり方をするのだろうかと,いささか心配になった.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.