特集 インフォームド・コンセント
脳損傷例(若年者)の理学療法とインフォームド・コンセント―若年脳外傷症例を通して
岡田 しげひこ
1
Okada Shigehiko
1
1札幌秀友会病院リハビリテーション科
pp.825-828
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105175
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1.インフォームド・コンセントと理学療法
本誌第27巻第1号特集「患者の人権」中の「インフォームド・コンセントの確立と患者の権利法制化をめぐって」と題する論文のなかで,池永弁護士は,医師-患者間のインフォームド・コンセントの原意を,「十分な情報提供の下に自由意思に基づき為される同意・決定」とし,「こうした同意・決定があるからこそ患者の主体性や主体的エネルギーを生み出すことができる」と述べている.リハビリテーションにおいても,患者の主体性が発揮できなければ,その効果は減弱してしまう.理学療法の運動療法にしても,患者の意欲がなければ実行することさえ難しいことがある.理学療法士にとって,いかに患者の意欲を引き出し,高め,そしてどのように理学療法につなげていくかは重要な課題である.
本稿では,理学療法とインフォームド・コンセントについて,池永氏のインフォームド・コンセントの概念から,患者・家族に理学療法を分かりやすく説明できること,そしてその説明に基づいて選択するバラエティに富んだ理学療法を提供することが,今,理学療法士に求められているものと理解し,若年脳外傷症例を通して,その具体的な方法を述べていく.
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