特集 動作分析
疼痛と動作分析―特に腰痛症との関連から
荒木 秀明
1
,
山崎 肇
1
,
石原 祐司
1
Araki Hideaki
1
1札幌円山整形外科病院リハビリテーション科
pp.244-252
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105046
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1.はじめに
腰部機能障害は,動作の問題から明らかにされることから,神経-運動器協調機構の相互作用による問題として観察される場合が多い.しかし,従来からの腰痛症に対する運動療法では,弱化した主動作筋に対する量的な筋力強化が主体をなし,適切な時期に適度な収縮という質的な筋活動パターンや筋の安定化は軽視されている.もし,筋活動が抑制されて,不十分な状態のままで個々の筋の特異的な働きを無視した全身運動を行えば,筋の機能は更に傷害され,身体全体の不均衡を招く結果となる.
そこで本稿では,①静的姿勢の評価,②自動運動を中心とした形態学的評価,③歩行分析を中心とした動作分析の意義について簡潔に述べることにしたい.
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