クリニカル・ヒント
肩の機能と運動療法
山口 光國
1
,
尾崎 尚代
1
,
鈴木 貞興
1
,
山嵜 勉
1
,
大野 範夫
1
,
筒井 廣明
2
1昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーション部
2昭和大学藤が丘リハビリテーション病院整形外科
pp.358-360
発行日 1997年5月15日
Published Date 1997/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104780
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肩関節傷害,特に五十肩などの非外傷性疾患は意外と軽視されやすく,実施される理学療法は,関節可動域,疼痛の程度等の評価にとどまり,診断名からいきなり運動療法が施行される感がある.しかし,期待する改善が得られなく,再評価,訓練プログラムの見直しを迫られると,突如として敬遠されてしまう感が強い.その理由として以下の2点が挙げられるのではないだろうか.
1)病態の把握が難しく,リスク管理が行いにくい.
外傷によるものは別として,肩関節傷害の診断名は,肩関節周囲炎という診断名に代表されるように各種病態の総称であるものが多いため,損傷部位がどのような状態になっているのかイメージを持つことができない.さらに肩は単一の関節ではなく,複数の関節からなる関節複合体であるため,正確な病態の部位を把握しにくい.そのため,病態を考慮したリスクの管理が行いにくい.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.