特集 高齢者と運動
高齢患者に対する理学療法施行時の留意点
荒畑 和美
1
,
小山内 隆
1
,
亀田 英俊
1
Arahata Kazumi
1
1東京都老人医療センター理学療法科
pp.405-410
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104559
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
近年,理学療法(以下PT)に関わる「アクシデント」(表1)や医療事故の報告もみられるようになり,訓練時の危険性について改めて認識され始めている.特に高齢者では,後述するように身体・精神面の特徴から,若年者以上に注意が必要である.
東京都老人医療センターにおいて,平成6年度にPTを施行した入院患者の平均年齢は76.3±9.3歳(図)である.高齢な患者を日常的に扱っている当センターでも,開設当初より多少の「アクシデント」は起こっている.しかし,環境整備・職場体制・職員の理解などによりその数は減少し,近年では骨折などの治療を要するものは1件も起きていない.
本稿では,高齢者を訓練する際の「アクシデント」を防止するために,当センターにおいて日常留意していることを紹介する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.