書評
―三好邦達(監修)―「早期リハビリテーションマニュアル」
黒川 幸雄
1
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
pp.71
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104469
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本書は,大学病院における20年間のリハビリテーションの総決算ともいえる著作であるが,従来のリハビリテーション関係の成書としては数少ない領域を視野に入れた大変利用価値の高い労作である.
リハビリテーション医学医療は,ともすれば後遺症に対しての回復期・慢性期の医療にみられやすい弱点を有ているが,そもそも回復期・慢性期の経過の良し悪しは急性期の対処如何にかかっているわけで,急性期医療をリハビリテーション医学医療の視点できちんと把握して実践している施設は,大変数少ないことが予想される.この点からも本書の生まれる背景にある聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部における20年間のリハビリテーション医学医療の実践は大変貴重なものであり,本書の意義についても大いに語れ,読まれる部分があることを強調しておきたい.
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