連載 ドライアイ外来最前線
私のドライアイ診療① ―三好眼科―
岩本 浩
1
1医療法人節和会 三好眼科診療部長
pp.56-57
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.13.01_0056-0057
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- 文献概要
当院では年間約3,000例の白内障手術を行っており,ほとんどすべての患者様にご満足頂いております。しかし,なかには手術に何の問題もなく,視力1.5,視野も眼底も異常なし,その他の所見も異常がないにもかかわらず,術後から何らかの,いわゆる不定愁訴を延々と訴えられる患者様が一定数存在されるわけで,これらの方々になんとかご満足・納得いただける方法はないかと,以前から常に頭を悩ませておりました。そこで「もしや,術後不定愁訴の原因をドライアイに求めることはできないだろうか?」「ところで術後ドライアイは一体何%くらいあるのだろう?」「意外に多いのでは?」と思い,論文を検索してみましたが,みつけることができませんでした。ならば自分でデータを取ってみようと,リサーチを開始したのが2012年でした。500例以上の自院症例の術後1週間の時点で,厳密にドライアイ診断(当時は旧診断基準)を行うと,有病率は22.4%ほどあることがわかりました。また,非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)点眼を術後3ヵ月使用したのちに同様のドライアイ診断を行うと,有病率は27.9%に上昇することがわかりました。
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