Japanese
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特集 関連領域―頭頸部の障害とリハビリテーション
喉頭悪性腫瘍術後の障害
New Frontiers in Physical Therapy: Post-operative Impairment and Disability of Laryngeal Cancer Patients.
中溝 宗永
1
,
鎌田 信悦
1
Munenaga NAKAMIZO
1
,
Shin-etsu KAMATA
1
1癌研究会附属病院頭頸科
1Division of Head & Neck, Cancer Institute Hospital
pp.458-462
発行日 1995年7月15日
Published Date 1995/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104325
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Ⅰ.はじめに
喉頭癌は耳鼻咽喉科で扱う悪性腫瘍のうち最も多い疾患である.早期に発見されれば放射線治療だけで十分治癒が望めるので,耳鼻咽喉科で扱う悪性腫瘍のなかで最も5年生存率が高い疾患の1つである.しかし,進行した症例では切除手術が必要になることが多い.この場合は癌の根治のために喉頭全摘術が行われるので,患者は声帯を失わざるを得ず,音声言語障害というハンディキャップを負うことになる.一方,頸部のリンパ節に癌が転移した場合にはほとんどの症例で頸部郭清術が併用される.この場合には,郭清術による副神経の損傷で上肢挙上障害が生じ得る.
いずれの障害も,現在までのところ,もっぱら耳鼻咽喉科の医師と看護婦が対処することが多い.しかし,高齢化社会の到来と癌の治癒率の向上に伴い喉頭癌の術後患者が増えてくると,理学療法士が運動療法に携わる際に喉頭癌術後の患者と接する機会が増えるので,喉頭癌の術後リハビリテーションに関して,理学療法士の方々にも理解を深めていただくことは大切なことと考える.すなわち,リハビリテーションに関わる各科の医療従事者の情報交換や連携は良質の医療の提供へとつながり,結果的には患者が恩恵を受けられることになる.今回は,このような相互理解を深める観点から,喉頭悪性腫瘍術後の障害について述べることにする.
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