特集 喉頭腫瘍
喉頭悪性腫瘍の放射線療法とその適用範囲
塚本 憲甫
1
1癌研究所附属病院放射線科
pp.368-374
発行日 1958年5月20日
Published Date 1958/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.まえおき 喉頭の悪性腫瘍はそのすべてが殆んど癌腫である。我々が経験した300例に近い喉頭悪性腫瘍のうちには1例の細毛肉腫が含まれていた以外には全部が癌腫であつた。
喉頭腫瘍の療法のうち,その放射線療法は喉頭摘出術の如く喉頭の機能即ち発声を失う事なしに治療することが可能であるために,これが成功した場合には患者にとっては極めて有利な治療法であるということができる。従つて,喉頭癌の治療にあたつては,耳鼻科の専門医は,その適応範囲を熟知し手術にたよらないでも治癒が可能な喉頭癌の範囲を知つておくことは,今日非常に必要な大切な事柄であるといわなければならない。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.