とびら
今,思うこと
山川 邦子
1
1北療育医療センター
pp.3
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103903
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昨年の2月に,初めて入院,手術という経験をした.今までにも,出産のための入院の経験はあった.しかし,今回の入院は,悪性腫瘍の疑いでの手術目的の入院であった.入院後,1週間,検査づけにされた.同室者が簡単な検査で手術になるのに比べ,シンチグラムその他検査も多く,不安が徐々に募った.手術直前のムンテラ時に,医師に“悪性の場合には,ぜび知らせてほしい”と告知をお願いした.幸い良性で再び健康体で仕事に復帰している.このとき,なぜ告知を望んだかと,今再び考えると,“家族との生活をどうしようか?”“これからの人生をどうしようか?”ということが第一であったと思う.当時は現実的に,経済的なことも頭を占めていたのであるが.
仕事に復帰し,改めて療育の場にある理学療法士としての自分を振り返るとき,子どもに,家族に対し,はたして予後の説明(告知)を充分に行ない,将来設計に手を貸しているのだろうかと強く自省している.
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