あんてな
第二次医療法改正と理学療法士の今後・1
紀伊 克昌
1
1ボバース記念病院リハビリテーション部
pp.782
発行日 1993年11月15日
Published Date 1993/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103874
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1.医療法改正の歴史的背景
医療法が発足した1948年から,国民皆保険となった1961年までは,量的な医療確保が目標であった.老人医療費を無料化する老人福祉法実施の1973年までは,国は医療拡大の政策を進めてきた.しかし,2度のオイルショックを経て経済低成長期に入って公的医療費負担の財源確保が潤沢でなくなったことと,高齢者社会の到来が迫ってきたことから,医療費の抑制と供給体制を再編成する方向に転じてきた.1985年の第一次医療法改正が行なわれ,地域医療計画による病床規制が始まった.このときの改正時に今後の日本の医療の在り方を根本から見直そうという附帯決議・附則がついて宿題が残った.これを受けて1987年には国民医療総合対策本部から中間報告が発表された.このころ,厚生省病院管理研究所から「医療機関の効率的な運用の作成に関する研究」も発表されたし,医療職種を集めて医療職種間の効率的業務連携についてのヒアリングなども行なわれた.これを機会に日本理学療法士協会は理学療法士業務指針およびガイドラインを作成した.さらに,1990年に「21世紀をめざした医療供給体制のあり方」を厚生省は発表した.今回の第二次医療法改正には,これらの附帯決議,報告書,ヒアリング,提言などが基本となっている.
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