連載 衛生行政キーワード・119
予防接種施策—第二次提言から現在まで
芳川 修久
1,2,3
1名古屋大学医学部附属病院卒後臨床研修・キャリア形成支援センター
2元 厚生労働省健康局健康課予防接種室
3名古屋大学医学部産婦人科学講座
pp.598-601
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208706
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はじめに
2012年5月の厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会でとりまとめられた「予防接種制度の見直しについて」1)(以下,第二次提言)では,他の先進諸国と比べて公的に接種するワクチンの種類が少ない,いわゆる“ワクチン・ギャップ”の解消や,予防接種施策を総合的かつ継続的に評価・検討する仕組みの構築の必要性等が示された.これらを踏まえ,2013年4月に予防接種法が改正された.2014年4月には,同法の改正によって策定されることとされた予防接種に関する基本的な計画(平成26年厚生労働省告示第121号.以下,予防接種基本計画)2)が適用された.現在,それらに基づいて予防接種施策が進められている.
本稿では,第二次提言以降の予防接種にかかわる取組によってワクチン・ギャップが徐々に解消されつつある現状や,予防接種法上の位置付けに関する検討プロセスが明確化されてきた過程を振り返りながら,予防接種施策の今後の展望について概説する.
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