あんてな
第二次医療法改正と理学療法士の今後・2
紀伊 克昌
1
1ボバース記念病院リハビリテーション部
pp.856
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103896
- 有料閲覧
- 文献概要
3.理学療法士との関わり
こうした理念の規定により医療法は,医療職である理学療法士にとっても,業務上の憲法のような位置付となったので,法137号の運用もこれに準拠することになる.さらに医療というのが単に治療のみならず,有酸素運動療法を含む健康増進から,リハビリテーションおよび老人保健事業にまで概念が拡がったこと,さらに医療の担い手として医師,歯科医師のみならずチーム医療の理念が明記されたことから,これからの医療において理学療法士の責務は従来よりもはるかに重くなった.にもかかわらず医療の担い手に理学療法士が明記されなかったのは,医療法改正に際して理学療法士業界内外における世論の盛り上がりが不足していたことによる.参議院厚生委員会の附帯決議の二項には理学療法士,作業療法士の配置が明記されているので,これを足がかりに今後は政令通知および次の改正法律文に「その他の医療の担い手」の前句に理学療法士の語句が挿入されるように,新しい医療理念の実践現場で必須職種であることを実証していくことが業界の最優先課題であろう.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.