Japanese
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講座 物理療法・1
物理療法における評価
Physical Modalities. 1: Evaluation for Treatment with Physical Agents Modalities
中山 彰一
1
Akikazu NAKAYAMA
1
1九州リハビリテーション大学校理学療法学科
1Department of Physical Therapy, Kyushu College of Rehabilitation.
pp.477-482
発行日 1993年7月15日
Published Date 1993/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103786
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Ⅰ初めに
今日の理学療法の進歩を歴史的に振り返れば,物理療法の存在を決して忘れることはできない.しかし,最近の理学療法においては,運動療法ばかりが注目されすぎるため,物理療法を軽視する風潮があるのは残念でもある.欧米では物理療法は非常に重要視され,論文報告も多い.本邦での物理療法への見直しが急がれる時期であろうと思われる.
さて各種の物理療法が,生体にどのような反応を与えているのかについては,従来からも各種の評価方法が行なわれてきた.しかし,その効果の機序については未解明の部分も多く,しかも科学の進歩とともに,物理療法機器の改良や新開発の機器の出現もあり生体反応と効果との判定を再検討すべき時期である.
そして,その生体反応と効果の評価法については,従来と大差無いと思われるが,現在は測定・評価機器も進歩し科学的データ採取がより可能となってきており,今後の解明が望まれよう.しかし,物理療法の評価を語るには,基本的に生体反応を客観的・科学的に捉えることが非常に難しく,再現性・信頼性に問題も多いため,明確にできない点が根本にあるとも言えよう.しかも,われわれ理学療法士には,生体に評価の目的で組織侵襲を与えることが許されないための制限も多いと思われる.故に未熟なる筆者が読者の期待に添うことはできまいが,本稿では,現在の物理療法の評価法についての基本的なまとめとして整理するとともに,下記の評価分類で記することとし,非侵襲的で理学療法士の範疇で測定可能な評価法中心についてのみ言及することとしたことをお許し願いたい.
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