とびら
医療行為
浅山 章
1
1国立療養所愛媛病院リハビリテーション部
pp.365
発行日 1993年6月15日
Published Date 1993/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103757
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医療機関以外での理学療法が身近で見られるようになってきた.特に最近,高齢化社会の到来に厚生行政はいっそうの力を入れ老健・在宅関連事業などは目白押しであり,理学療法士の雇用分野も着実に広がりを見せている.医療としてではなくサービスとして営みを開設する者も見聞きし始めた.
しかし,大方の理学療法士はまだ当分の間理学療法を医療行為として日々携わるはずである.患者(診断のついた)がいて理学療法士がいるのであって,客がいて理学療法免許を有する者がいるという関係とはまったく異なるのである.医療には「診断」という根本があり,それゆえに理学療法が医療行為として確立されているのである.診断を行なうには評価が不可欠であり,診断がつくと予後がおのずと決まるのである.すなわち,評価・診断・予後この三つがあって初めて治療が行なわれるのである.ここでいう理学療法は医療類似行為でもなければサービスでもなく,相手が求めるから行なうという行為とはまったく異なるのである.
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