連載 くせものキーワード2・9【最終回】
医療行為
和田 忠志
1,2,3
1保健・医療・福祉のキーワード研究会
2あおぞら診療所
3東京医科歯科大学医学部
キーワード:
医療処置
,
医行為
,
医療行為
Keyword:
医療処置
,
医行為
,
医療行為
pp.1084-1089
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100259
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地域ケアの現場は,保健・医療・福祉に広がる,さまざまな人々が働く広場です。よく使われるキーワードだけれど,人によって意味が微妙に違う言葉が,たくさん登場します。意味や使われかたの違いは,その言葉の由来,広がってきた歴史によるものです。そこには,使う人の専門性や,利用者・専門職・学界・行政など立場と利害の違いが反映しています。どれが正しいとは一概に言えない,こんな言葉たちが「くせものキーワード」です。いろいろな角度から,これらの言葉にまつわる事情を知ることが,会議や説明の場面で役に立つのではないか。それがこの連載のねらいです。
この連載の第1シリーズである「くせものキーワード」の第9回(「訪問看護と介護」7巻2号,2000年)では,「医療処置」について取り上げました。そこでは当時議論が盛んであった「痰の吸引行為」を中心に,医療行為・看護行為・介護行為の境界部分について,実践的な立場からの多角的討論を記載しました。
吸引行為については,まず筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者に対してヘルパーの吸引が条件付きで認められ(厚生労働省通知「ALS患者の在宅療養の支援について」;医政発第0717001),さらに,それ以外の疾患に関しても拡張された(「在宅におけるALS以外の療養患者・障害者に対するたんの吸引の取り扱いについて」;医政発第0324006)という経過があります。
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