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菅原 巳代治
1
1仙北組合総合病院
pp.494-495
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103554
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- 文献概要
脳卒中後遺症に対するリハビリテーションや,理学療法については,急性期から慢性期さらには,地域におけるアプローチまで,数多くの成書・文献が有り,臨床に忙殺されている理学療法士にとって貴重な参考書である反面,とてもすべてを読み切ることなど不可能であることも事実です.そして,おのおののアプローチを現場で,すぐに役だてることもまた必ずしも容易ではなく,予測に対し最良の結果を得ることが決して多くはないというのが実状ではないでしょうか.
このことは,理学療法が学問化において,不十分であるとか,科学的分析の不足とかに由来するというよりも,むしろ脳卒中後遺症の複雑さや,個々の症例における症状の多様さによってその整理,対処が困難であることを,物語っていると思われます.その上,老齢化の進行という社会状況も含めると,単なる疾病・障害へのアプローチという感覚では,もはやリハビリテーションの到達目標へ近づくことさえ困難であるということを実感するのは筆者だけでしょうか.
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