クリニカル・ヒント
身体代償機構の理解の重要性―肩と股関節の場合
嶋田 智明
1
,
武政 誠一
1
,
講武 芳英
1
1神戸大学医療技術短期大学部
pp.462
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103050
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人間の身体が単なる機械と異なる大きな点は,それが実に精巧な代償機構を備えた自動制御装置であるということである.
例えば,肝硬変のため門脈血が通過して下大静脈に流れ込むことが困難なときには,臍傍静脈や腹壁皮下静脈の吻合を利用して前腹壁に向かって血液は流れ,腋窩静脈などを介して心臓に戻るために,臍を中心として静脈が著しく怒張する.これは,病理学の講義でおなじみのMedusaの頭(Caput Medusae)発生機序である.
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