プログレス
糖尿病と心疾患
川久保 清
1
1東京大学医学部保健学科保健管理
pp.407
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103034
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糖尿病の治療法が進歩するにつれ,糖尿病患者の死因として感染症や糖尿病昏睡によるものが減少し,心血管障害や悪性腫瘍によるものが増加している.中でも,冠動脈疾患による死亡率は,欧米に比較して約1/3ではあるが,日本人一般に比べて約2倍(15%)の頻度であり,増加が著しいものである.したがって,糖尿病による心臓障害についての最近の研究は,まず糖尿病における冠動脈硬化の成因が挙げられる.また,糖尿病性心筋障害,心臓自律神経障害,運動療法などの観点からも研究されている.
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