クリニカル・ヒント
プレゼンテーションについて―スライド作りの手引き
稲垣 稔
1
,
野島 晃
1
1信原病院整形外科・理学診療科
pp.42-44
発行日 1990年1月15日
Published Date 1990/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102929
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1.初めに
今回,クリニカル・ヒントと言うには少し外れた内容ではあるが,学会発表の準備を進めておられることと思い,これを記してみた.
最近,よくプレゼンテーションということばを聴く.プレゼンテーションとは,贈呈,演出,紹介,提示などの意味である.
TV,新聞などのコマーシャル(CM)は,その内容によって商品の売れ具合いを大きく左右する.CMは社運をかけたプレゼンテーションであると言える.短い時間で売り込む商品に対していかに印象付けをするか,つまり,画像の美しさやわかりやすさそしてインパクトが有るか否かなどによって内容が決定される.
多少意味合いが異なるかもしれないが,学会の場でも似たようなことが言えるのではないだろうか.学会発表の内容でもちょっとプレゼンテーションのしかたをくふうすることによって発表がぐっと引き立って,聴きたいという気にさせられるものになろう.
その効果の媒体となるものにスライドがある.一般にスライド作成用乾式ジアゾ・フィルム(CBスライド)のものは,手軽に作れるが変化が少なく単調で,目の疲れを覚えることさえもある.学会の発表のものは短時間であるからこそ余計,見やすく理解されやすいものにしたいものだ.すっきりしたしかも美しいスライドを見ながら聴くと,学会や講演は退屈しない.
ここでは筆者が,これまで得てきたスライドの作りかた(特に作図)の手順について紹介する.
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