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特集 整形外科
習慣性膝蓋骨脱臼の発生機序と手術治療
Orthopaedics: Pathogenesis and Surgical Treatment of Recurrent Dislocation of the Patella
長谷川 博一
1
,
丹羽 滋郎
2
Hirokazu HASEGAWA
1
,
Sigeo NIWA
2
1愛知医科大学附属病院リハビリテーション部
2愛知医科大学附属病院整形外科
1Department of Rehabilitation, Aichi Medical University.
2Rehabilitation Center, Department of Orthopedic Surgery, Aichi Medical University.
pp.835-841
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102904
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Ⅰ.初めに
習慣性膝蓋骨脱臼の治療の目的は,大腿膝蓋関節部の疼痛,不安定感およびgiving way,lockingなどの臨床症状を改善し脱臼を防止することである.さらには,今後予想される大腿膝蓋関節症を予防することにある.しかし,これらの目的で数多くの手術療法が考案されているが,種々の誘因が存在しまたそれらが混在しているために,決定的な治療法が見いだされていないのが現状である.
膝蓋骨脱臼を分類すると恒久性脱臼(先天性,後天性)と習慣性脱臼(再発性,反復性)とに分かれる.習慣性脱臼は,第Ⅰ型(狭義の習慣性脱臼),第Ⅱ型(随意性脱臼),第Ⅲ型(狭義の再発性脱臼),第Ⅳ型(再戻脱臼)に分類される1).ここでは,習慣性脱臼についてその発生機序,誘因と手術療法についてバイオメカニクスを踏まえた観点から検討を加え紹介する.
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