臨床経験
いわゆる習慣性膝蓋骨脱臼—(2)手術法について
片岡 治
1
Osamu KATAOKA
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
pp.347-357
発行日 1968年4月25日
Published Date 1968/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908459
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緒言
いわゆる習慣性膝蓋骨脱臼の原因が多数考えられるごとく,その手術法も古来多数の方法が考案,施行されかつfollow-upされてきた.その原因の多元性については既に論じたが,症例数の多い欧米でも,各国により手術法が異なり,その遠隔成績も統一されていない.その手術法の数に関しては,最近ではCotta(1959)は137種を数えているが,著者は文献上変法を加えれば180種の多きを調べえた(第1表).わが国では著者の調査の限りでは,その手術例総数は90例111関節で一報告者の最大症例数も岸の11例15関節にすぎず,その手術法の詳細に亘る記載は僅かに古谷,永井,安達らの各数例にすぎない(第2表).
著者は現在までに報告された主な手術法について文献的考察を行ない,これに教室症例を材料とした自験例考按を加えて,この疾患に対する手術法につき論じ諸家の御批判を乞いたい.
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