特集 筋萎縮性疾患
<手記>私の試み―Independent-mind(自立心)の確立からInter-depend(相互扶助)
春山 満
1
1ハンディ・コープ
pp.630-632
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102853
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私は,現在35歳の進行性筋ジストロフィー症・遠位型の男子です.1988年3月大阪にオープンした「全国で初めての福祉のデパート=ハンディ・コープ」のオーナーとして多くの仲間に支えられながら働いていますが,今はほとんど完全に四肢の運動機能は全廃しており,寝返りも不可能です.しかし,このような私でもなお元気に働けている今,発病より現在に至るまでの過程を少し紹介します.
発病は24歳のころです.最初の自覚症状は「握力が少し弱ったのでは?足先が少し冷えるのでは?」といった程度で,まさかそれが難病の序曲だとは予想もしませんでした.しかし,だんだん走りにくくなり,自分の体重を両手で支えられなくなり,そして階段が上ぼりにくくなり,歩く姿がおかしくなってきました.「これはただごとではないぞ」と,嫌な予感が走りましたが,元来運動好きでもあり,何とか運動で回復させようとしましたが事態は悪化するばかり.そして回りの人からも歩く姿や階段を上ぼる姿の不自然さを指摘されるようになり,遂に国立病院で詳しく検査を受けました.
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