特集 医療制度とその盲点(Ⅱ)
生活保護法による医療扶助
黒木 利克
1
1厚生省社会局保護課
pp.23-27
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201547
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まえがき
生活保護法による保護には,周知のように,生活扶助,教育扶助,住宅扶助,医療扶助,出産扶助,生業扶助及び葬祭扶助の七種の扶助があるが,これらのうちでその実施上また制度的にも最も多くの且つ困難な問題をもつているのは,医療扶助だということができよう。
生活保護法施行以来,医療扶助の受給人員は,増加の一途を辿り,その他の扶助の受給人員が減少乃至横這いの傾向を示しているのに対して顕著な対照をなしているし,また医療扶助費の保護費支出総額のうちに占める割合も逐年上昇し,今や保護費支出総額の2分の1以上を占めるに至つた。
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