書評
大阪市立大学島津晃・浅田莞爾編集―『バイオメカニクスよりみた整形外科』
灰田 信英
1
1金沢大学医療技術短期大学部
pp.437
発行日 1989年6月15日
Published Date 1989/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102803
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生体の営みを力学的な原理に基づいて理解しようとして医学,生物学と,工学の分野を統合して誕生したBiomechanicsという呼称はBiologyとMechanicsとの合成語として作られたものと解される.そしてこの分野の研究は現在,非常に広範な領域を包含して,かつ急速な発展を遂げ,われわれに大きな学問的成果を提供している.
本書の成り立ちは大阪市立大学医学部整形外科学教室の開講40周年を記念して,同門会員が集いバイオメカニクスの知識に基づいた整形外科妻の入門書として刊行されたものである.その内容は,整形外科が対象とする人体運動器官について,力学的な理解の基礎となる事項を平易に説明し,整形外科医として将来,専門的な研究を行なう場合のバイオメカニカルな考えかたの基礎を提供しようという意図で書かれたものである.
全体は14章から成り,37名の筆者による451ページのやや重厚な本である.
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