とびら
地殻変動
牧田 光代
1
1聖マリアンナ医科大学病院
pp.295
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102771
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理学療法士が日本に誕生して以来,この20数年の時代の変貌は目を見張るばかりである.日本の経済成長は,国民一人当たりの国民総生産がアメリカや西ヨーロッパを凌(しの)ぎ,世界で最高に近い生活水準を亨受しているとも言われる.それに伴う価値観の変遷や,コンピューター,バイオテクノロジー,通信手段移動手段の発達は,まるで空想小説の世界に導かれたような錯覚すら覚える.また人口構成比の変化,すなわち高齢化社会への移行も大きな社会変化と言えよう.
これらの変化に伴い,理学療法業務でも対象,勤務場所,使用する機器など大きな変化が遂げられてきた.理学療法の対象は確実に高齢化が進んでおり,高齢者特有の複雑,多様化した病態に対する認識の上に立つアプローチが必要とされている.また内科管理を有する糖尿病,腎不全などの慢性疾患や心筋梗塞者への運動処方も行なわれつつあるし,アスレティックリハビリテーションへのかかわりも増している.健常者の健康増進への取り組みもなされ始めている.
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