Laboratory Practice 〈生理〉
測定条件による血圧の変動
桑島 巌
1
1東京都健康長寿医療センター
pp.545-548
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102468
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測定環境による違い:診察室血圧と家庭血圧
近年,家庭血圧計が非常な勢いで一般家庭に普及しており,高血圧の患者さんの多くは家庭において血圧の自己測定を行うようになっている.図1は,診察室で医師が測定した収縮期血圧と,患者さんが自宅で測定した収縮期血圧の相関をみたグラフである.
本来ならば診察室で160mmHgなら家庭血圧でも160mmHgとなれば問題ないが,実際には一見してわかるように,お互いの相関はほとんどみられない.すなわち診察室血圧は170mmHgであっても家庭で測定すると120mmHgの人が結構いる.このように診察室では高血圧であっても,自宅では正常血圧の人のことを,白衣高血圧という.診察室で医師や看護師の白衣を見たとたん血圧が上がってしまうことからこの名前がつけられたのである.
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