プログレス
活性酸素・2;酸素原子から生体へ
賀来 正俊
1
1兵庫医科大学第一生理学教室
pp.267
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102758
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酸素が他の元素と異なり,種々の活性分子種をもちうるのは,その特徴的な原子構造による.このことは意外に知られていない.
酸素原子(O)は原子番号8,すなわち核の周囲に8個の電子(e-)をもつ元素である.電子が核の周りを回転(スピン)する軌道は,酸素原子については原子核に近いほうからK殼の1sとL殼の2s,2pの合計三つが存在し,1s,2sには2個ずつ電子が入り,2pには4個の電子が入っている.他の物質と反応したり結合したりする際に働くのは最外殼軌道の2pにある4個の電子である.
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