1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?
筋硬結
加藤 新司
1
1札幌山の上病院リハビリテーション部
pp.1017
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102629
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理学療法士は,臨床で「筋~」という用語にかかわることが多く,代表的なものとして,筋出力,筋緊張,筋張力,筋スパズム,筋硬結などが挙げられる.そのなかでも筋が硬く,痛みを伴う症状として“筋硬結”という用語を用いることが多くなってきた.この筋硬結という用語についてはドイツのFroriepが報告して以来,数多くの報告があり,1989年に米国で開催された第1回国際筋痛学会で筋硬結の形態学的同意事項が挙げられており,病理組織学的にも根拠の存在する病態となっている1).しかし,少なくとも筆者自身が理学療法教育を受けた1990年代前半には,そのような教育は受けたことがないと記憶している.近年になって,理学療法士の間でも筋硬結という用語がごく普通に用いられるようになってきたように思われる.
具体的な臨床例として,患者さんから「肩が凝る」「筋が張っている」「筋を押したら痛い」などの主訴を聞くことがあり,このような主訴の根拠が筋硬結である可能性も高く,筋筋膜性疼痛症候群2)や慢性筋痛症などにこの筋硬結が存在することが多い.その他にも,関節リウマチや変形性関節症などの運動器疾患を中心に様々な疾患でみられることがある.
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