特集 地域包括ケアシステムと訪問理学療法
地域包括ケアの中の訪問理学療法
植松 光俊
1
Mitsutoshi Uematsu
1
1星城大学大学院健康支援学研究科
pp.882-889
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102592
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はじめに―「施設」から「住宅」へ
日本の社会保障の方向性は,少子超高齢化人口推移に対応すべく動いていると言っても過言ではない.厚生行政の方向としては,急性期医療重点集中化・機能強化に伴い,医療保険の縮小化を図るとともに,在宅医療の拡大,そして介護保険領域の生活期リハビリテーション(以下,リハ)の拡大,そして介護予防や疾病(生活習慣病など)予防を中心とした民間健康事業の活性化を推進しようとしているのは間違いないところである.
特に2025年に向けた住み慣れた地域での安心・安全と希望の生活を送ることができる社会づくりのための「地域包括ケアシステム」の構築においては,同システムの意義,目的に合致した行動ができる専門職人材の教育システムの確立が重要と言える.と同時に,この地域包括ケアシステムで取り上げられているように,国はあらゆる居住形態の拡充として,「施設」から「住宅」へと舵を切った.これにより,サービス付き高齢者向け住宅の拡充を前提として「自己能力を活用し,在宅生活を自立して過ごせるようにするためのサービス」,つまり「生活期リハ」においても,より在宅のリハ,特に「訪問リハ」に重点を置きだしたことを理解すべきである.このことを理解でき,推進でき,そして確かなサービス技術を実践できる人材(理学療法士)の教育が重要な時期にきている.
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