特集 外来理学療法
運動器疾患患者に対する外来理学療法
市川 和人
1
,
中村 良雄
1
,
相馬 裕一郎
1
,
杉元 歩実
1
,
伊藤 謙
1
,
板場 英行
2
Kazuto Ichikawa
1
1伊藤整形外科
2川田整形外科
pp.688-693
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102364
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はじめに
デフレ経済における景気停滞の経済情勢や急速な高齢化の進行により,医療保険財政の深刻さがより一層混沌となり,度重なる医療給付体制の改変で,外来理学療法の細分化も図られた.病床の有無により治療スタイルも多角的となり,運動器疾患を有する患者にも大きな変化がみられるようになってきている1,2).さらに2012年度診療報酬改定では,運動器リハビリテーションの在り方を根幹から考えていかなければならないほど,厳しさが増した状況となってしまった.
理学療法においても,社会情勢の変化(①少子高齢化,②核家族化,③意識への変化),医療情勢の変化(①疾病構造の変化,②説明責任の増大,③疼痛機序の多様化),疼痛機序の解明が進むにつれ,その対応も生物医学的アプローチから生物心理社会的アプローチへと変化している.
そこで今回は,外来理学療法の位置付けや評価の在り方,治療アプローチの考え方について私見を述べたいと思う.
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