特集 EBP in Physical Therapy
[EBP実践報告]
2.運動器疾患の理学療法
福井 勉
1
Fukui Tsutomu
1
1昭和大学医療短期大学理学療法学科
pp.341-344
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105800
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理学療法とEBM
治療手段を選択し,臨床結果を見極め,効率的で,かつ高品質な患者中心の医療を実践することは,理学療法においても非常に重要な事柄であることは疑う余地がない.しかしながら,EBMの数々の手法を理学療法にそのままもってくるには何らかのフィルターが必要に思われるときがある,それは運動器疾患では運動の量とともに質が問われ,その質的表現が数値化しづらいこと,治療手技そのものはアナログ的であるため同一の運動療法が施行不可能なこと,また定性的にであっても治療効果を評価することが難しいためである.
なかでも,重要な評価である動作分析そのものが経験的に行われていることが最大の原因と考えられる.更に間接的には理学療法士は自分の臨床技術についてはほとんど評価されなくても済んできたことも影響していると考えられる.本論ではEBMの目的に沿って,理学療法を施行した失敗経験を中心に述べたい.若い理学療法士の方々には効率的に進歩していただきたい.私のようでは駄目である.
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