特別寄稿
理学療法士の立場から観たケアに関する哲学的考察②―あなたのケアの根源はどこにありますか
奈良 勲
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1神戸学院大学リハビリテーション学部
キーワード:
ケア
,
理学療法
,
リハビリテーション
,
哲学
Keyword:
ケア
,
理学療法
,
リハビリテーション
,
哲学
pp.950-953
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102114
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デュプュイトラン拘縮の手術による2週間の入院体験
筆者は,8年前に両手の手掌腱膜が肥厚し,短縮する原因不明で無痛性のデュプュイトラン拘縮によって,手指が徐々に屈曲拘縮を起こし,洗顔やパソコンのキーボードを叩くときなどに支障が生じてきた.そのため,拘縮が強かった左指と手掌の手術を,広島市内の病院で専門の整形外科医から受けた.
説明と同意の下,手術は全身麻酔下で(このため髭も剃られた)2時間を要し,術部の縫合は約50針であった.術後数日後からのガーゼ交換に際し,術部からの出血と滲出液を吸収する複数の小さなチューブ(ドレーン)を治癒が進む過程で少なくしていく処置が毎日行われた.その際,主治医に質問をすることもあったが,筆者自身が医療人であったため余計な質問はせずに,担当医が術部のガーゼ交換をしているときの表情を観察して,そこから経過の良し悪しを判断していた.手術後は循環状態を保つのが重要とのことで,水分を多く摂ることや日夜,手を心臓の位置より高く保持することが求められた(図1).睡眠中もスリングで上肢を吊り上げているため,寝返りはできなかった.
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