特集 これからの理学療法
理学療法の効果判定に適切な具体的指標は―健康増進
大工谷 新一
1
Shinichi Daikuya
1
1岸和田盈進会病院
pp.50
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101583
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
健康増進を目的とした理学療法には,体力評価や運動処方,およびそれらの結果に基づいた運動指導を行う直接的理学療法と,健康教育や運動の啓発,およびライフスタイル改善や運動実施を目的とした指導などを行う間接的理学療法がある.
直接的理学療法の効果を判定する指標としては,厚生労働省による「健康づくりのための運動基準2006」1)に記載されているメッツ(METs)や最大酸素摂取量(表),筋力などがある.また,「健康づくりのための運動指針2006」2)では身体活動を評価するための指標として,体重やBMI,体脂肪率,除脂肪体重,胴囲(腹囲)を挙げている.同様に血液検査結果(総コレステロール,HDL-コレステロール,中性脂肪,血糖値,血色素量,赤血球数,白血球数)も有用な指標としており,そのほかに体力の指標として筋力(握力),静的バランス能力(開眼と閉眼での片脚立位保持時間),動的バランス能力(functional reach test),総合的な移動能力(timed“up & go”test),歩行能力(10m歩行速度),柔軟性(長座位体前屈,立位体前屈)が挙げられている.筆者らの研究3)でも,中高年者に対する運動実施により,体重や中性脂肪,血糖値,最高血圧の低下とHDL-コレステロールの増加が確認できている.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.