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編集後記
内山 靖
pp.562
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101439
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「診察用の靴を履くと,しっかり歩けるんですよ」
20年以上前の会話のひとこまであるが,今でも鮮明に覚えている.総合臨床実習の1期目に学生として最初に担当させていただいた対象者は,パーキンソン病を患っておられた.
初めての長期実習で,病名はパーキンソン病,対象者の職業は内科医,奥様が毎回の理学療法に付き添われ,主治医が2日に一度は同行されるという,冷静に思い出せば緊張を強いられる実習環境であった.入院によって薬剤の調整が行われていたが,症状の変動とともに歩行障害がみられていた.冒頭の会話は,互いに少しずつ慣れてきた頃,対象者の奥様が学生である私に遠慮がちに話しかけられた言葉である.
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