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はじめに
2008年11月29~30日の2日間,東京の日本工学院・蒲田キャンパスにおいて,第24回日本義肢装具学会・学術大会が開催された.今回は,私の上司である水間正澄教授(昭和大学)が大会長を務めることになり,準備の都合上,当院からほど近く,比較的リーズナブルな会場を探すということと,全国から参加される方々の交通の利便性を考えて,羽田空港や品川駅にも近い東京都大田区の蒲田が選ばれた.
当初は区内の公共施設も候補に挙がったが,学術大会に必要なホールや会議室の使用権は各々に抽選会があり,使用希望日の6か月~1年前にあたる抽選日までは使用者が決定せず,しかもすべての部屋が当選する確率は極めて低いので,1,2年前から開催場所を広報しなければならない大規模な学会には不向きだった.かといって,民間施設となると都内の場合は施設使用料が高く,会場の選択に難渋したが,幸いにも「日本工学院・蒲田キャンパス」を借用することができた.この学校はJRの車窓からもみえ,蒲田駅より徒歩1分と大変便利な場所にあり,元々クリエイター系の専門コースなどがあるので,AV環境が整ったホールや教室を有しており,キャンパス全体が洒落たデザインだった(今回はバリアフリー化されていない校舎をお借りしたため,車いすや義足で参加された方々には特にご不便をお掛けしたことを,この誌面を借りてお詫びしたい).
ところで,蒲田といえば,その昔は「キネマの天地」や「蒲田行進曲」で有名な松竹キネマ蒲田撮影所がある華やかな町だったが,その後,大森区と蒲田区が合併して大田区となり,近年は世界に誇れる“もの作り”で有名な中小の町工場が集結した地域となっている.このような創造力が培われてきた土地で「“くらし”と義肢装具」というテーマを掲げ,本学術大会を開催できたのも何か通じるものがあるのかもしれない.
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